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笹谷秀光の「三方良し」通信。サミットとSDGs

2021年6月19日

今回のテーマは、「ポスト・コロナとSDGs」です。

■G7コーンウォール・サミット

6月11日から13日にかけて英国・コーンウォールにて開催されたG7コーンウォール・サミットで、「CARBIS BAY G7 SUMMIT COMMUNIQUÉ

Our Shared Agenda for Global Action to Build Back Better」が発出された。キーワードは「Build Back Better」（より良き回復）であった。

まだ不確定情報が多く見極めが難しい新型コロナ後をにらんで、新型コロナウイルス感染症に打ち勝ち、より良い回復を図ることにコミットした。また、国際協力、多国間主義及び開かれ、強靱で、ルールに基づく国際秩序に基づき行動することを確認した。

■2020年までのパンデミック終息

最重要アジェンダの一つ「保健」では２０２２年までのパンデミック終息という目標を設定。途上国に対するワクチンを供与する多国間枠組みも合意した。

このほか、「経済回復及び雇用」「自由で公正な貿易」「将来的な先端領域」「気候変動・環境」「ジェンダー平等」「グローバルな責任及び国際的な行動」などの各論に幅広く触れている。

「結語」では新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の団結の象徴として、安全・安心な形で２０２０年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催することを改めて指示するとした。

■SDGsへの再コミット

持続可能な開発のための2030アジェンダとそれに盛り込まれたSDGsについては、パンデミックがその進展を後退させたことに深い懸念を表明した。そこで改めて2030年までのSDGsの達成に向けてさらなる努力を重ねることを再度コミットした。

■改めて、SDGsを使って「自分事化」「Build Back Better」

SDGs経営先進企業では自社の事業についてSDGsの17目標だけでなく、その下の169のターゲットに当てはめる段階に突入しています。企業は、SDGsのターゲットレベルまで深める段階に入りました。

今回のパンデミックは、SDGsで言えば、経済・社会・環境のすべてのターゲットに絡み極めて複雑な展開になっています。

目標3「健康」のうちターゲット3.3に「感染症への対処」が明記されています。このターゲットの対応に、そのほかの目標やターゲットがどのように絡むかという、「リンケージ」を考えていかねばなりません。

すぐ思いつくのは、同じ目標3のターゲットの「3.8」「3.b」にある、基礎的保健サービスの整備やワクチン開発です。

このほか、目標9の技術革新（医療機器や関連機材）、目標8の働き方改革（テレワークなど）、目標11の持続可能なまちづくり、目標4の教育・訓練（新たな生活に向けて）が関連します。

今後はワクチン配布に関連し、目標16の平和と公正性、そして何よりも目標17のグローバル・パートナーシップが重要です。

世界がこのような予期せぬ危機に囲まれている状況の中で、SDGsの価値はいっそう高まってくるのです。

世界が合意した「2030アジェンダ」の「持続可能な開発」と気候変動に関するパリ協定が世界の共通言語です。

■ 笹谷のウェブ・セミナー開催

拙著『Q&A SDGs経営』の「行間」を読み解く、「経営層、中堅幹部限定」の特別セミナーをウェブ開催に切り替えて実施する。 ◆募集中：『Q&A SDGs経営』発刊記念特別講座・SDGs経営時代の企業サバイバル ―経営層、中堅幹部限定―　Live配信ウェブセミナー 2020年6月9日（火） 13:30～16:30 金融ファクシミリ新聞社主催、詳しくは同社のサイトにて、問い合わせ、電話 03-3639-8858

■企業研究会ＺＯＯＭセミナー（3回シリーズの第三回）『SDGsをビジネス戦略に組み込む方法　実践講座』2021.07.06 (火)

3回シリーズです。個別の申し込みも可能です。

日時 2021年　7月　６日（火）　13:30～17:00

対象経営企画・戦略部門、広報部門、IＲ部門、CSR部門など関連部門の方

講演者千葉商科大学基盤教育機構・教授 CSR／SDGsコンサルタント　笹谷秀光氏

※ゲスト講師

鈴木孝徳　氏　株式会社井之上パブリックリレーションズ代表取締役社長兼COO