「グレート・リセット」(大変革)の時代にどう生き抜くか
新型コロナによるパンデミック、気候変動の深刻化、ウクライナ情勢などで時代が激しく変化しています。新たな未来に向けた「グレート・リセット」(大変革)が求められます。
パラダイムのシフトが進行中であり、あらゆる人にとって新たなサバイバル競争のフェイズに入ったといえるでしょう。
「不易流行」(ふえきりゅうこう)
この中で、松尾芭蕉の「不易流行」という考えを思い出します。芭蕉の俳論といわれるこの考えは実にクールです。
「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」(『去来抄』)というもので奥が深いです。要するに、
「不易」は、いつまでも変わらないこと、「流行」は、時代に応じて変化すること
変化しない本質的なものをよく見極める一方で、新しい変化も取り入れていくことです。
実にサステナビリティ(持続可能性)の本質をうまく言い表す表現です。今、国づくり、地域づくり、企業経営に求められているのは、中長期的な展望に立った持続可能な(サステナブルな)設計です。急速なグローバル化の中で、外国人が認めたり、国際機関が作ったものがすべて日本にあっているというものではありません。
「いいものは残る」。突き詰めればそういうことです。
「混迷の時代の羅針盤」SDGsを使いこなす
むしろ、いいものを見つけるきっかけとして外国人の目線や国際的な考えを取り入れるということでしょう。例えば、国連で決めた持続可能な開発目標(SDGs)という羅針盤をどう「自分事化」して使うか。
「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)は、2015年の国連での採択文書「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に盛り込まれました。
このアジェンダは題名の通り変革志向でできた世界に通用する「羅針盤」です。今や企業や関係者間でSDGsが主流化し、単なる枕詞や参照事項ではなく経営マターになりました。
この世界的な合意であるSDGsは、2015年にできて以降、今や「混迷の時代の羅針盤」としても機能します。
「COVID-19の感染拡大(SDGs目標3)」「世界的な気候変動(SDGs目標13)」「ウクライナ情勢(SDGs目標16)」といった視点で見ることにより、世界で何が起こり、どのような議論が展開されるのかを見ることができます。
このような中で、ビジネスと人権などのサプライチェーン・マネジメントも極めて重要になり、企業はチャンスを探しリスクを回避する、この両面でこの羅針盤を使いこなす必要があります。
そのうえで、投資家を含め幅広いステークホルダー(関係者)から求めれられるESGの文脈で整理するとともに、企業としての志(パーパス)も明確化していく必要があります。
新経営支援ツール「ESG/SDGsマトリックス」(笹谷マトリックス)
企業は、本業の中で関係者との「協創」により商機につないでいます。この点は競争戦略の権威である米国のマイケル・E・ポーター教授らが、自社の利益と社会価値の同時実現を目指す「共通価値の創造」(CSV)という新たな競争戦略を示しました。
これを考えてみるに、日本では、現在の滋賀県の近江商人の経営理念である「三方良し」(自分良し、相手良し、世間良し)のように、もともとあった考えです。共通価値の創造と似ていますが、実は、重要な違いがあります。滋賀県彦根市にある「三方よし研究所」に行った際、三方良しの古文書などの展示と並んで、同様に心得とされる「陰徳善事」という言葉に目が留まりました。「あ、このせいだ」と思ったのです。
これは、「人知れず社会に貢献しても、わかる人にはわかる」という意味です。日本人の美徳ですが、日本企業を内弁慶的にしているのはこの考えの影響でしょう。今は、世代の違いで「わかる人にはわかる」といった空気を読む方法は通じません。ましてやグローバルには通用しません。何より、発信しないと相手に気づきを与えられず、イノベーションにつながらないことが課題です。
そこでこれを補正した「発信型三方良し」の「SDGs化」を新たな経営戦略として提唱します。これが日本型の共通価値創造戦略となるでしょう。
これを具体化するために、企業経営の経験と理論から「ESG/SDGsマトリックス」(笹谷マトリックス)をつくりました。ESG投資家にも効果的に伝わり、幅広いSDGsへの対応も訴求できる網羅性と一覧性を有する発信につながる企業経営支援ツールです。おかげさまで、筆者が監修した幅広い業界での実践事例がでてきました。
これにより「発信型三方良し」を実践し、企業価値向上と社員モチベーション向上につなげましょう。
「フリーランスとしての事業」
このホームページは、フリーランスとしての笹谷個人の考えと事業内容をお伝えするものです。随時「三方良し通信」で最新の情勢と考えを発信していきます。
また、理論のみならず、「産官学」での実践経験を活かし、次の3タイプのご依頼に対応いたします。ウェブ、オンラインでのご依頼にも対応いたします。
- サステナビリティに関する理論と実践へのアドバイス・コンサルティング(CSR/CSV/ESG/SDGsなど。企業をはじめ、自治体も対象)※スポット的、継続的いずれも対応
- 特に、役員へのインプット、幹部研修、従業員ワークショップなど社内浸透
- 講演・シンポジウム参加、メディア対応、執筆依頼対応やアカデミア活動(大学、学会)
「具体的事業」ESG/SDGsに関する「笹谷ワンストップ・サービス」のご案内
具体的なメニューは次の通りです。
(1)総合サービス
総合サービス1:「ESG/SDGs経営」診断(貴社のESG/SDGsが現在どのような状況にあり、SDGs経営には何が必要かを示します)
総合サービス2:総合パッケージ(サービスメニューを各社にカスタマイズして総合的に対応します)。
主な活動メニュー(例)は次の通りです。
- 定例戦略会議の実施(頻度は契約内容によります。月〇回〇時間程度に加え、必要に応じメールやウェブでの打ち合わせを実施)
- ESG/SDGs 経営診断
- ESG/SDGsカウンセリングとプラニング
- ESG/SDGs戦略工程表(スケジュール)の作成支援
- 役員会での講話
- 役員レクチャー
- ESG/SDGsマトリックスの作成支援(笹谷が開発した「笹谷マトリックス」)
- マテリアリティの作成支援
- 価値創造ストーリーの作成支援
- 統合報告書などのレポーティング作成支援、コーポレートガバナンスコードやTCFDへの対応支援
- 統合報告書などにおけるトップとの対談やステークホルダーダイアログへの出席・記事化
- ウェブページの作成支援
- 各種表彰制度へのエントリー支援
- 社内浸透戦略の策定
- 対外発信(パブリック・リレーションズ)支援・発信場所のあっせん
など
(2)個別サービス 上記のほか、各種の個別メニューに対応します。
(3)通信教育講座のあっせん
笹谷が執筆したSDGsの通信教育講座「未来につなぐSDGs 入門~動画解説付き~ービジネスパーソンの新常識ー」の 実施機関「JTEX 職業訓練法人日本技能教育開発センター」へのあっせん等(個人・法人)。具体的な申し込みは、まずは、「通信講座申し込み」タグからお願いします。詳しくは「通信講座」タグをご参照ください。
(4)会員専用コンテンツのご提供
「三方良し通信」の中での「会員専用コンテンツ」のご提供を開始しました。当方からのパスワードの発給でご覧になれるようになります。
サービスの申し込み方法
仕事のご依頼、お問い合わせは、本ホームページの右上部のリンク「お問い合わせ」をクリックしてください。
主な実績
【最近の企業へのESG/SDGs関連の役員会講演等の実績】
統合報告書、ウェブサイト等で紹介されている内容については「企業との実績」のコーナーをご参照ください。
各種サービスの概要は以下の笹谷の書籍や論文での理論をベースに構成されています。
『Q&A SDGs経営 増補改訂・最新版』『Q&A SDGs経営』(日本経済新聞出版社)
ESG/SDGsについて筆者の考えと方法論を集大成した基本書です。
『3ステップで学ぶ 自治体SDGs 全3巻セット』(ぎょうせい)
企業が自治体等とどのように連携するかについて「基本」「実践」「事例」の3つのステップでSDGsをSDGsをわかりやすく解説した全3巻のシリーズ
『基礎知識とビジネスチャンスにつなげた成功事例が丸わかり! SDGs見るだけノート』(笹谷監修・宝島社)
SDGsに関する網羅的な入門マニュアル。
基本論文:公益社団法人全日本能率連盟主催、経済産業省後援の「第70回 全国能率大会懸賞論文」において最優秀賞である「経済産業大臣賞」を受賞いたしました(2019.5.27授賞式)
https://www.zen-noh-ren.or.jp/event/708/
論文題名は、「持続可能性新時代におけるグローバル競争戦略―SDGs活用による新たな価値創造―」。優秀論文の一覧は以下のサイトをご参照ください。
https://www.zen-noh-ren.or.jp/conference/article-list/
今後とも皆様とともに私のライフワークであるESG/SDGsを進化させていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
(笹谷の主なリンクについては、「もっと見る」をクリックください)
笹谷秀光
主なリンク
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月刊総務オンライン
旬な情報や用語辞典、専門家コラムなど、総務、人事の仕事をサポートするコンテンツが充実。また、会員限定コンテンツとして、ダウンロード可能な書式集や資料、セミナーや対談の動画を提供しています。
ソーシャル・イノベーション・マガジン!「オルタナ」
オルタナAlternaオンラインでは、私もオルタナコラムニストをしています。適宜CSR/SDGsの投稿をしており、ヤフーニュースとも連動しています。
一般社団法人 企業研究会
異業種交流を促進し企業の経営改革を推進する企業研究会
1976年 |
東京大学法学部卒 |
1977年 |
農林省入省 |
2005年 |
環境省大臣官房審議官 |
2006年 |
農林水産省大臣官房審議官 |
2007年 |
関東森林管理局長を経て |
2008年 |
退官。同年伊藤園入社 |
2010〜2018年 |
取締役、常務執行役員 |
2019年 |
4月末伊藤園退社 |
2019年 |
4月~2021年3月 社会情報大学院大学客員教授 |
2020年 |
4月~ 千葉商科大学・基盤教育機構・教授 |
博士(政策研究)
現在、日本経営倫理学会理事、グローバルビジネス学会理事、特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム理事、宮崎県小林市「こばやしPR大使」、文部科学省青少年の体験活動推進企業表彰審査委員、消費者志向経営優良事例表彰 選考委員(消費者庁、令和3・4年度) 、未来まちづくりフォーラム実行委員長
幅広く、コンサルタント、アドバイザー、講演等で活動中