2021年12月14日
「SDGs経営」時代の到来
企業にとって、いよいよ持続可能性を織り込んだ「SDGs経営」時代の到来です。年が変わるにあたり改めて忘録とし「SDGs経営」のポイントを記しておきます。
(1)ビジネスSDGsとESGは「裏腹の関係」にある。
激しいグローバル的変化の中、企業経営には、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(統治)の3要素がますます重要です。
ビジネスSDGsとESGは「裏腹の関係」にあります。ESGは投資家のチェック項目、SDGsは事業会社のTo Doリストで投資家はその実行を評価要素としています。
GPIFがこの点を明記して発信しています。
(2)「笹谷マトリックスモデル」SDGsの関連性をマトリックスで理解する
企業は、まずはESGのE、S、G各項目で「やるべきことリスト」の洗い出しを進めるべきです。
そのため、ESGを世界標準であるISO26000の7つの中核主題やグローバルコンパクトに即して整理します。
その上で、ESGを整理した対応項目を縦軸に、SDGsの17目標を横軸に整理したマトリックスをつくってみます。
これは2017年に「笹谷マトリックスモデル」としてつくったものです。
ESGとSDGsは整理と体系化が最重要です。この整理がマテリアリティ選定という経営の重要事項の洗い出しにつながっていくからです。
先日、経済産業省が「SDGs経営/ESG投資研究会」(座長:伊藤 邦雄 一橋大学大学院 経営管理研究科 特任教授)を立ち上げました〈11月26日に第1回会合〉。
大変時機を得た研究会です。
事務局説明資料(2018年11月経済産業政策局産業資金課PDF)の22ページに
「(3)ESGとSDGsの関係② ー笹谷秀光氏(伊藤園顧問)による相関整理ー」として「笹谷マトリックスモデル」が紹介されました【下図】。
今後のESG/SDGsに関する議論に役立っていけば幸いです。
2018年版の統合報告以降このマトリックスを採用して整理する企業が増えました。
筆者のアドバイスにより、169ターゲットレベルまで整理している企業には、モスフードサービス、スカパーJSAT、東日本高速道路(NEXCO東日本)、熊谷組、SOMPOホールディングスなどがあります。
経済産業省のサイトはこちら
http://www.meti.go.jp/shingikai/economy/sdgs_esg/001.html
(3)ビジネスSDGsはCSVである
SDGsは企業にとってのチャンスである一方、リスク回避にも使えるリストです。この両面で競争優位が実現して社会課題解決のリスク回避にもなっていく。
これにより、経済価値と社会価値の同時実現を目指すCSVをSDGsによりバージョンアップできるのです。
2021年はSDGs経営浸透の年
2021年は、五輪・パラリンピックもあり、調達ルールなどもできました。
一刻も早く、国際的共通言語活用の「SDGs経営」を確立し企業ブランディングと社員モチベーション向上を図りましょう。